滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)について 滲出性中耳炎とは 本来、空気で満たされている中⽿腔に液体が溜まっている状態です。⿎膜穿孔がなく、⽿痛や発熱などの急性炎症の症状はありません。主な症状は中⽿貯留液(粘膜からしみ出てきた浸出液が中耳腔にたまってきます。)による難聴、⽿閉感です。 中⽿⿎膜 原因急性中⽿炎などの感染が主な病因です。危険因⼦としては、アデノイド増殖症、⿐副⿐腔炎、アレルギー性⿐炎、胃⾷道逆流症、ダウン症、⼝蓋裂などがあります。これらの疾患は、⽿管機能障害と⽿管(模型参照)を経由した中⽿の感染のリスクが⾼いです。 検査 難聴の程度を調べるために聴⼒検査、中⽿貯留液を確認するため聴力検査や鼓膜の動きを調べる検査(ティンパノメトリー⽿管)などを⾏います。 治療 薬物療法(⿐副⿐腔炎やアレルギー性⿐炎の合併の場合、その症状に応じてマクロライド系抗菌薬、カルボシステイン、抗アレルギー薬の内服やステロイド点⿐薬治療を検討します。) 外来での⽿管通気や⾵船などを⽤いた⾃⼰通気療法は薬物療法と並⾏して⾏われることがあります。 3ヶ⽉以上保存的な治療で改善が認められない場合は、⿎膜換気チューブ留置• ⼩児のアデノイド増殖症に対してアデノイド切除術を検討しますが適応となることもあります。 参照:⼩児滲出性中⽿炎診療ガイドライン2015年版